スッポン画-風景画|ギャラリー丸裸 ギャラリー丸裸では、スッポン画を制作しております。

翌朝

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説明

俺の名前はばこた。

いまわ小学四年だ。

 

いまごろ、あの深いとこに、糸を垂らしてやろう、

あのごつごつした岩山に挟まれたとこだ。

ここまでくると、あのガードレールの隙間から、下へ降りれるみたいだ。

薔薇の木や、雑草がわんさか邪魔してくる。

俺は、そんなことを予想して、こないだ買った全身ウェーダーを着て、サバイバルナイフもある。

土嚢袋ももったし、糸切りバサミも入れた。

川底にあいつが潜ったときに備えて、ずぶ濡れなんかへっちゃらさ。

まぁでも、今回は、そがな深さよりもっと深いと思う。

その淵にいざ俺わ対峙したんだ、すると真昼だのに、ゾッとした。上から見た眺めとわ訳が違う、

ぐるぐると水の渦が巻いて、どどぉ~っと流れ落ちてきては青々とした不気味な空間を作っている。

周りわ誰もおらん、岩と岩を昇りおりして丈だかい雑草をくぐり抜けたらこの淵があると云うわけか。

淵なんてものが、こがに不気味な空間とわ、俺わ考えたこともなかった。

まぁでもある意味癒しの空間でもあるぞ、この川の堕ちる音わ、なんとも心地のいい音ぢゃろう。

この岩場に座ってみよう。大木と木の葉の群れが俺を包んできた。

よおし、俺わしばらくして、また、やることを思い出した。

うなぎ針に、イカをつけてこの淵に投げ込んでやる。キモもある。俺は、今年の夏は、何故か、幾度も、糸の先あたりから、何者かに噛み切られた。仕掛けていたやつだ。だから、来年わ、ワイヤーにしてやる。ワイヤーだと、引く力も強くなるだろし、ヤツも噛み切れんじゃろう。俺わもう、小物狙いじゃのおなったんじゃ、大物しかほしゅうない。

じゃけえ、いまこの淵におるんじゃ、この底が見えない深い蒼の川ツボに。

ここの底に、得たいの知れないばかでかいヤツがひそんどる。これを仕留めたいんじゃ、俺わ、あしたの朝にまたみにくる、おまえがみごとかかっとるのを見届けてやる。

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